TRAVEL

ホテル ザ セレスティン京都祇園
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作家 柏井壽

2018.2.5 PR
ホテル ザ セレスティン京都祇園<br />×<br />作家 柏井壽
宿泊客だけが利用できるラウンジ。昼間はコーヒーやジュースなどのサービスがある

ちょっと贅沢な気分を愉しみながらの執筆の場に

宿に泊まる。ふつうに考えればそれは観光であったり、ビジネスであったりと、まずは旅行ありきで、そのためにはどこに泊まろうかと宿を捜す仕儀となる。

たとえば桜を見に京都へ行くと決め、では京都のどこに泊まろうかと思案する。お目当ての桜があれば、その近くで捜す。ホテルがいいか旅館がいいか、と思いを巡らすことも旅の愉しみのひとつである。

あるいは京都への出張が決まり、仕事の場が四条烏丸辺りなので、その近辺でホテルを捜そうとなる。

いずれにせよ、まずは場所ありきで泊まる宿を決めることになるのが常道。

しかしながら、宿に泊まることそのものを目的とする場合もあるわけで、たとえば原稿の執筆をするために宿に泊まるというケースだってあるのだ。

文豪でなくても、宿に籠って原稿を書くことはよくあるわけで、その対象となるのは古式ゆかしい温泉旅館もあれば、きらめく夜景を見下ろすシティホテルもある。

不思議なことに、その宿の有り様によって、書きあがった原稿が違ってくる。鄙びた地と、きらびやかな都会では、エンディングまでもが変わってしまうのである。

物書きがしばしば好んで逗留したのは京都。京都に滞在し、京都を舞台にした小説を書く。作家にとっては憧れでもあり、常とう手段でもある。

そしてそれが昂じると京都に住まうようになり、売れっ子作家などは京都の億ションを買ったりするようだ。京都を舞台にした小説が多いのはそういうわけでもある。

さて、では京都のどこに籠るかといえば、まずは祇園が筆頭候補に上る。祇園の宿に籠って原稿を書けば、どんなに好い作品が出来上がるか。無名有名問わず、物書きなら誰もがきっとそう思うに違いない。

とは言え、それはたいてい叶わぬ夢で終わる。なぜならそれにふさわしい宿がないからで、昔ながらの旅籠ふうだと風情はいいが、Wi-Fiなど飛んでるはずもなく、かといって設備の整ったホテルは祇園ではめったに見かけない。いずれにせよ現実と夢のギャップは大きい。

そこで俄然クローズアップされるのが、中長期滞在にも応えられるホテル。とは言え、マンスリーだとかウィークリーを謳うホテルは侘しさが漂う。ほどほどの贅沢を愉しみながら籠れるホテルが祇園にできたと聞いて、早速足を運んだ。

祇園の建仁寺のすぐ南に位置している隠れ家的ホテル

『ホテル ザ セレスティン京都祇園』は八坂通にあって、名刹建仁寺のほど近く、ゆるやかな坂道の途中に建っている。

あえて目立たないように配慮されたエントランスは、うっかりすると見過ごしてしまいそうに控えめな佇まいで、祇園南側という地にふさわしい瀟洒な建築で、内外のゲストを迎え入れる。

フロントロビーは地下にあるが、まずは一階のラウンジでひと息つく。このスペースは夜ともなればバーになり、シャンパーニュ片手に仕事ができたりもする。昼間はゲストラウンジとして開放され、客室以外にくつろげるスペースがあるのも嬉しい。

滞在を目的に宿に泊まって、客室に籠りっ放しだと、息が詰まる。その点、このホテルにはラウンジや大浴場といった寛ぎのスペースが用意されていて、ロビーを含めそれらのどこに居ても、和の趣きを湛える緑を眺められるのもありがたい。

一年で数えると、宿に籠って原稿を書く泊数は200前後になる僕にとって、もっとも大切なのはお茶の時間である。

ホッとひと息つくには、何より上質のお茶が必要で、それは日本茶はもちろん、コーヒーや紅茶、ハーブティーまでを含めてのことなのだが、高級なホテルでも存外これらのお茶をぞんざいに扱っているところもある。

その点このホテルの客室には、コーヒーマシーンも備わり、何より日本茶を喫するための急須と湯呑が置かれていて、お茶の時間をゆったりと愉しめる。

「TEA ROOM」をテーマにした部屋「セレスティンデラックス八坂」。 広さは約61㎡
「セレスティンデラックス八坂」では、専門の知識を持ったスタッフにお茶を淹れてもらえる

そうして日がな一日パソコンと向き合い、陽が落ちるころになると夕餉が恋しくなる。グラスをゆっくり傾けながら、一日を振り返りつつ、箸を伸ばす。

このホテルで用意されているのは、天ぷらをメインにした和食。和を前面に押し出した空間で、揚げたての天ぷらを頬張り、シャンパーニュの泡を見つめる時間は、何ものにも代えがたい。江戸前とも京風とも異なる独創的な天ぷらで一日の幕をおろす。

揚げたての天ぷらを楽しめる。写真は天ぷら会席「比叡」1万5000円(税・サ別)

明けて翌朝。間近に迫る東山から昇る朝陽を受けて目覚めるというのも、この立地ならではの贅沢。

朝風呂で身も心も目覚めさせたあとは、待ちかねた朝食。バリエーション豊かな料理がずらりと並ぶブッフェスタイルで、きっと数日滞在しても飽きないだろうと思える充実ぶり。揚げたての天ぷらや握りたての天むす、焼き立ての出汁巻きなど、どれもが美味しい。

朝食を済ませたあとは、ご近所散策。名刹古刹が軒を並べる界隈ゆえ、散歩道には事欠かない。

宿に泊まるためだけに京都を旅する。そんな旅に最もふさわしいのが「ホテル ザ セレスティン京都祇園」なのである。

DATA
住所:京都府京都市東山区 八坂通東大路西入ル小松町572
Tel:075-532-3111
チェックイン:15:00 チェックアウト:12:00
宿泊料金:スーペリアツイン2万3100円~、
              セレスティンデラックス八坂8万160円~(税・サービス料込)
※上記の料金は2018年2月5日宿泊時の価格例です
www.celestinehotels.jp/kyoto-gion/

宿泊者専用の大浴場も用意。広い湯船でのびのびとリラックスできる

Profile
柏井壽(かしわい ひさし)
1952年京都府生まれ。京都市北区で歯科医院を開業するかたわら、生粋の京都人であることから京都関連の書籍、生来の旅好きから旅紀行のエッセイを執筆。月刊誌『Discover Japan』の“逸宿逸飯”にて全国の宿について連載。著書も『日本百名宿』(光文社新書)、『二十四節気の京都』(PHP研究所)、 『鴨川食堂』(小学館)など多数。

(photo: Makoto  Ito)