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野田秀樹の英語劇を、豪華吹き替えで観る

2017.10.11
野田秀樹の英語劇を、豪華吹き替えで観る

「夢の遊眠社」、「NODA・MAP」で日本の演劇シーンをリードしてきた野田秀樹さん。この11月に幕が上がる新作は、世界ツアーも行う英語劇です。作・演出・出演する野田さんに、その原点と見どころをうかがいました。

伝説の舞台が英語版で帰ってくる!

1976年に「夢の遊眠社」を旗揚げ。’80年代の小劇場ブームを象徴する存在となり、’90年代からは「NODA・MAP」で日本の演劇シーンを牽引してきた野田秀樹さん。’03年から挑んでいる英語劇の原点は、’87年のイギリス・エディンバラにあるという。
「エディンバラ芸術祭に呼んでもらって、せりふを間違えて。そのときに『このお客さん、間違いがわからないんだ』と思ったら、すーっとさめたんです。そこから『国際交流や文化交流って、これでいいのかな』と疑問に思うようになりました」
以降、英国演劇人と交流を深め、人気女優のキャサリン・ハンターさんや俳優のグリン・プリチャードさんと英語劇を創作してきた。その第3弾が『表に出ろいっ!One GreenBottle』だ。本作は、’10年に十八代目中村勘三郎さんとの初共演で話題となった。その英語版を同じ劇場で上演する。
「もともとはお能の一家の話で、イギリスにもシェイクスピアという古典がある。単純に家庭が崩壊していく話でもあるので、イギリスでも理解しやすいんじゃないかと。ただし日本とは文化が違うので、ただ英語にすればいいというわけじゃない。彼らに理解できないせりふや設定を、違うものに置き換えたりしています」

ライフワークの〝交流作〞には、初心者が楽しめる仕掛けも

「もともとはお能の一家の話で、イギリスにもシェイクスピアという古典がある。単純に家庭が崩壊していく話でもあるので、イギリスでも理解しやすいんじゃないかと。ただし日本とは文化が違うので、ただ英語にすればいいというわけじゃない。彼らに理解できないせりふや設定を、違うものに置き換えたりしています」
人気脚本家・ウィル・シャープさんを交えて英語版を制作。おもしろいのは、キャサリンさんが一家の父親を、グリンさんが娘役を演じるところだ。この「ジェンダーの交換」により新味が加わるが、問題はそれを日本人が英語で理解できるかどうか。そこで日本公演では、特別にイヤホンガイドを用意。日本語吹き替えを、大竹しのぶさんと阿部サダヲさんが行う。
「一か八かで頼んでみたら快く受けてくれて(笑)。こういうことが実現すると、普段芝居を見ない人にも興味をもってもらえる。特に海外の芝居を見たことがない、『言葉もわかんないし、退屈なんじゃない?』と思ってるような人に見てほしいですね。絶対にそんなことないから。これをきっかけに芝居にハマるかもしれないし」
宮沢りえさんや椎名林檎さんらと、魅力的な作品を世に送り出してきた野田さん。そんな野田さんを刺激してきたのが中村勘三郎さんだ。歌舞伎の演出を行うなど盟友として知られるが、『表にでろいっ!』の共演が最初で最後。
「勘三郎は、現代劇はべらぼうにうまいわけじゃないんです。それを彼は、あり得ないハイテンションで乗りきる(笑)。当時僕らは54歳。もう意地の張り合いでした。どっちが先に倒れるかってね」
娘役を演じた黒木華さんも、いまや若手実力派女優。伝説の舞台が、新たな顔と言葉で帰ってくる。

アートディレクション:吉田ユニ

表に出ろいっ! English version
One Green Bottle 東京公演

作・演出:野田秀樹、英語翻訳:ウィル・シャープ
出演:キャサリン・ハンター、グリン・プリチャード、野田秀樹
演奏:田中傳左衛門 吹替キャスト:大竹しのぶ、阿部サダヲ、野田秀樹
開催期間: 11月1日(水)~ 11月19日(日) ※10月29日(日)、31日(火)プレビュー公演
休演日:月曜 会場:東京芸術劇場シアターイースト
住所:東京都豊島区西池袋1-8-1
料金:一般6000円ほか(プレビュー公演は、一般5000円ほか)※未就学児は入場不可
英語上演・イヤホンガイド(日本語吹き替え)付
問:東京芸術劇場ボックスオフィス
Tel:0570-010-296
onegreenbottle.jp