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アートとモダン建築をめぐる列車+レンタカーの青森旅

2017.3.2
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時間に縛られず、ゆったりと、思うがまま…… 列車+レンタカーの旅なら、すべてがかないます。モダン建築が県内に点在する青森県。日本のモダニズム建築を打ち立てた前川國男や、約1500もの洋風建築を残した棟梁・堀江佐吉らの作品など、「街全体がアート」ともいえるほどです。列車とレンタカーを使い、県内広域の名建築を余すところなく堪能する旅へでかけましょう。

【1日目】十和田→青森の美術館めぐり

東京駅から新幹線「はやぶさ」に乗車し、車窓から景色を楽しむこと約3時間。八戸駅に到着します。駅でレンタカーを借り、いよいよ旅のスタート。

 

まず目指すのは十和田市にある「十和田市現代美術館」。八戸駅から、車で40分ほどで到着です。雄大な緑に抱かれ神秘的な美しさをたたえる十和田湖、そこから流れ出る清流と千変万化の四季の移ろいが心を揺さぶる奥入瀬渓流、かつて軍馬の生産地として栄えた面影を残す官庁街通り。青森県十和田市は、豊かな自然を重んじながら先人が切り拓いた産業とともに発展を遂げてきた街です。

 

2005年にはアートで地域の活力を掘り起こそうと「Arts Towada」プロジェクトが始動。そして'08年、その中核を担う施設としてオープンしたのが、十和田市現代美術館です。

 

㈰(全面引きでも可)

photo:ロン・ミュエク《スタンディング・ウーマン》 撮影:小山田邦哉


Courtesy Anthony d'Offay, London


 

目指したのは「街をひらき、街にひらかれた美術館」。設計は建築家・西沢立衛氏が手掛け、各展示室は作品ごとに独立し敷地内に点在、屋外の作品群とも共鳴し合い、まるでアート作品の集落のようです。

 

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十和田市現代美術館

住所:青森県十和田市西二番町10-9

Tel:0176-20-1127

開館時間:展示室9:00~17:00(入館~16:30)、カフェ・休憩スペース9:00 ~17:00(カフェL.O.16:30)

休館日:月曜(祝日の場合は翌日休) http://towadaartcenter.com

 

青森県立美術館へ……

十和田市現代美術館をゆっくり鑑賞したら、車で1時間半ほどかけて青森市へ移動します。次なる目的地は青森県立美術館。白くモダンな建物は、建築家の青木淳さんが担当、館内のタイポグラフィは菊池敦己さん、スタッフのユニフォームはミナペルホネンが手がけるなど、美術作品以外にもたくさんの見どころがある美術館です。
 
そしてこの建物には縄文時代の遺跡が数多く発掘された「三内丸山遺跡」が隣接するということもあり、美術館の館内にはさまざまなかたちで「縄文」を連想させるモチーフがちりばめられています。シャガールをはじめとした世界的に有名なアーティストの作品や、青森出身の現代アーティスト奈良美智など、たくさんの作品の魅力に触れることができます。
 
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青森県立美術館
住所:青森県青森市安田字近野185
Tel:017-783-3000
開館時間:10月1日~ 5月31日/ 9:30 ~ 17:00(入館~ 16:30、ライトアップ16:00 ~ 17:30)、6月1日~ 9月30日/ 9:00 ~ 18:00(入館~ 17:30、ライトアップ17:00 ~ 18:30)
休館日:第2・4 月曜(祝日の場合は翌日休)12 月28 日~ 12 月31 日
観覧料:510 円、大学・高校生300 円、中学生以下100 円
www.aomori-museum.jp

【2日目】弘前名建築めぐり

旅の2日目は、弘前市へ。2日目のテーマは「名建築」。特に、モダンな洋館が市内のあちこちに点在しています。洋館といえば神戸や横浜を連想する人も多いと思いますが、弘前はそれらの都市に負けないくらいの洋風建築天国であり、この街で暮らす人々のハイカラ好みは青森ではよく知られたところなのです。
 
かつて江戸から明治に時代が移るときに弘前藩は明治政府よりの立場にあり、そのため積極的に外国文化やキリスト教を受け入れたといわれており、その影響もあってこれだけの洋館が建てられたといわれています。
 
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中でも青森銀行記念館は、弘前のスター的棟梁、堀江佐吉の「晩年の大作」として知られ、彼が習得した和洋すべての技法の集大成です。
 
 
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青森銀行記念館
住所:青森県弘前市元長町26
Tel:0172-33-3638
開館時間:9:30 ~ 16:30(祭り期間中は~ 18:00)
休館日:12 ~ 3月、火曜、8月13日
 
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また、日本聖公会弘前昇天協会は、米国人宣教師が設計し弘前の大工が施工した教会。聖堂と前室は襖で仕切られ、畳も配されています。
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日本聖公会弘前昇天教会
住所:青森県弘前市山道町7
Tel:0172-34-6247
見学時間:9:00 ~ 16:00(牧師在中時のみ)
休館日:日曜、牧師不在時
 
市内には他にもかなりの数の洋館が点在しており、その一つひとつが見どころにあふれています。限られた時間でも多くの建物を鑑賞をすることができるのも、列車+レンタカーの旅ならではですね。
 
 

名建築でスイーツを楽しむ

ひとしきり建築めぐりを楽しんだら、藤田記念庭園洋館内にある「大正浪漫喫茶室」でスイーツを食べてひと休みしましょう。
 
藤田記念庭園は弘前公園に隣接し、弘前市出身の藤田謙一氏が大正八年に別邸を構える際に東京から庭師を招いてつくらせた江戸風な景趣が特徴の庭園です。
この建物の一角にカフェがあり、青森ならではのリンゴをつかったスイーツを楽しむことができます。
 
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大正浪漫喫茶室
住所:弘前市上白銀町8-1 藤田記念庭園内
Tel:0172-37-5690
営業時間:9:00 ~ 17:00(L.O.16:30)
定休日:無休

青森の民藝「こぎん刺し」に触れる

 
甘いものを楽しんだあとは、「弘前こぎん研究所」へ。青森ならではの民藝として知られるこぎん刺しは、いわゆる「刺し子」のこと。いまから220年前、弘前を中心とした農村地帯で生まれ、民芸運動の先導者・柳宗悦にもその技の美しさがたたえられた手仕事です。
 
一見すると外国のものかとおもうようなグラフィカルでモダンな柄と配色が印象的な、こぎん刺し。ここ、弘前こぎん研究所では、いまも一つひとつ手づくりで商品が制作されており、館内にはわずかですか物販コーナーもあり買い物を楽しむことができます。
 
そして、弘前こぎん研究所が入っている建物「木村産業研究所」は、建築という側面からも楽しむことができる場所でもあります。
「どうして辺境の地に、コルビュジエ風の白亜の建物があるのか」。
ドイツ人建築家ブルーノ・タウトがその建築を見て唸ったという記録が、自著『日本美の再発見』に残っています。タウトが弘前市を訪れたのは、1935年5月。タウトが見た建築とは、まさにここ、フランスのル・コルビュジエのアトリエで近代建築のエッセンスを学んで帰国した建築家・前川國男の処女作である「木村産業研究所」だったのです。
お買いものを楽しんだあとは、是非、建築物としての魅力にも触れてみてください。
 
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弘前こぎん研究所
住所:青森県弘前市大字在府町61
Tel:0172-32-0595
開館時間:9:00 ~ 12:00、13:00 ~ 16:30
休館日:土・日曜、祝日
 

街から街へ。

希望の場所へ気軽に足を延ばせる「列車+レンタカー」の組み合わせをチョイスすれば、「市内から離れると行きづらい」と諦めることなく、旅の選択肢が無限大に広がります。日本の魅力再発見の旅の相棒には、列車とレンタカーが欠かせません。
 
 
<青森旅のルート案内>
DAY1
東京駅からJR東北新幹線「はやぶさ」で八戸駅へ(約2時間50分)
↓ 八戸でレンタカーを借り、十和田市現代美術館へ移動(約40分)。鑑賞後の昼食は館内のカフェ&ショップ「cube」にて。
↓ レンタカーで青森県立美術館へ移動(約1時間30分)
↓ 美術館散策を楽しみ、青森市内泊 DAY 2 レンタカーで青森市から弘前市へ移動(約50分)
↓ 弘前市内で、モダン建築散策を楽しむ
↓ 建築めぐりの途中に「大正浪漫喫茶室」でリンゴスイーツを食べる
↓ 「弘前こぎん研究所」へ移動(約5分)、青森の民藝品「こぎん刺し」を購入
↓ レンタカーで新青森へ向かい(約60分)、到着後レンタカーを返却。その後JR東北新幹線「はやぶさ」に乗車し東京へ向かう(約2時間50分)
 

>> 絶景をめぐる熊本編を見る

 
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