ARTS & CRAFTS

【体感するジャパニーズ・モダン】今なお残る柳宗悦自邸を見に行こう

2016.1.25
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東京にいまも残る ジャパニーズモダン建築

民芸運動の祖、柳宗悦が、東京・駒場に日本民藝館を開設し、陶磁器や漆器、木工、染織品、彫像、絵画などを展示しはじめたのは1936年のこと。ものづくりの極みを知り尽くしていた宗悦にとって、日本民藝館は建築物そのものにも強い想いがあったようだ。

外観は、伝統のある商家か老舗旅館とも思える重厚感のある建築様式。ひとたび表玄関を入れば、開放的なエントランスとその正面から左右に美しく伸びる大階段は、ヨーロッパの劇場や宮殿を彷彿とさせる。さらに中央から左右対称に翼部を広げ、そこに展示室を配置した居室レイアウトなど、従来の日本建築にはない西洋のスタイルを積極的に取り入れていることがわかる。

新しい価値を探りつつ、古きよきところは残すというのが、宗悦流モダニズム。それは、本館と向い合って建てられた自邸(現日本民藝館西館)の建築にもうかがい知れる。

客人の多かった柳邸。広さ12畳ほどの食堂と奥にある6畳の和室とは襖を外してひと続きにできる仕様になっているが、洋室で椅子に座る人と、和室で畳に座る人の目線が同じ高さになるように、和室の床をあえて27.5センチほど高く設定するという工夫がなされている。

また、書斎の障子(写真1枚目)は3枚組の障子のように、あえてシンメトリックなしつらえにすることで、不完全な美の世界を体現するなど、自らの生活空間を通じて、変化する時代に日本独自の美意識や風習をいかに残していくかと試していたように感じる。

頭で考えるよりも、体感してもらいたいとの想いから、展示の細かな解説文もなければ、順路もなし。展示を見ながら雑談をしたり、各所に置かれたベンチや椅子に座ってのんびりと寛いたりできる。この週末には、いまも東京に残るジャパニーズ・モダン建築で、「用の美」を味わってみてはいかがだろうか。

◯日本民藝館
住所:東京都目黒区駒場4−3−33
Tel:03-3467-4527
営業時間:10:00〜17:00(入館は〜16:30)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日休)、および展示替期間
料金:1100円、大・高生600円、中・小生200円

◯日本民藝館西館(旧柳宗悦邸)
住所:日本民藝館向い
Tel:03-3467-4527(日本民藝館)
公開日:展示会開催中の第2および第3水・土曜
料金:1100円(日本民藝館入館料に含まれる)