ARTS & CRAFTS

ものづくりの街・高岡が面白い! 【能作 編】

2017.1.20
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来年4月には映画「デンサン」のテーマとして取り上げられるなど、大きな関心が寄せられている日本の伝統産業。海外で展示会などの取り組みも盛り上がりを見せているいま、改めてニッポンのものづくりをご紹介します。

歴史を受け継ぐ高岡銅器

富山県呉西地区の中心都市である高岡市。高岡銅器や高岡漆器で栄え、豪華絢爛な技術を施した御車山を守り継いだ高岡御車山祭は、ユネスコ無形文化遺産にも登録されています。

そんな高岡で、高岡銅器は1611(慶長16)年、加賀前田家2代・前田利長公が、鋳物の発祥地である南河内から7 人の鋳物師を招き、高岡市金屋町に鋳物工場を開設したことからはじまりました。

この、400年伝わる伝統技術を用いて仏具の製造をはじめたのが、鋳物メーカーの能作です。

常に前進するものづくりを

2016年で創業100周年を迎える鋳物メーカー・能作。創業当時は仏具を中心に、その後、茶道具、花器を製造。近年はテーブルウェアやインテリア雑貨、照明器具や建築金物など、製造の幅をさらに拡げ続けています。今やデザイン地域を言われる富山でも、いち早く伝統技術とデザイナーと協業し、新しい風を伝統産業界にもたらしました。

 

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「私にとって会社は新しい商品開発をはじめてからの創業14年。職人さんたちにもっと活躍してほしいと思い、記念に高岡に昔から伝わる花器であるそろりを100本つくったんです」と、4代目の能作克治さん。

 

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高岡在住の20代から80代までの100人の職人が1本ずつ、自由に作品をつくった。職人たちに、まだまだ可能性があることを知ってもらいたかったと言います。

日本を飛び出し世界へ

(photo:Kasono Takamura)

 

そんな能作のものづくりは、いまや日本にとどまらず、フランスやイタリアなど世界から注目されています。能作が世界に目を向けはじめたのは7年前。日本人にとって金属は刀や包丁など「武器」を連想させ、危ないものと意識する人が多くいます。ですが、欧米に行くと壁に掛かっていたり、銀食器があったりと金属に対して親近感がある。そうしたところから、むしろ世界で通用するのではないか、と感じたそうです。

 

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(photo:Kasono Takamura)

 

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(photo:Kasono Takamura)

 

ですが、日本で売れている商品を持っていくのではありません。海外の文化を知り、研究し、敬意を示す。「どうすれば喜んでくれるだろう?」と考え、その環境に合った商品開発に力を入れています。

世界に、そして地域に開けたものづくりを

伝統の鋳造技術を受け継ぎ、現代のニーズにこたえたインテリア雑貨や照明器具をつくる一方、現在は医療分野といった新業種とのマッチングも行っています。

今年の春にはオープンファクトリーとなる新社屋も、クラフツーリズムや産業観光の目玉としてますます話題を呼んでいます。

 

世界基準を目指した能作のものづくりはこれからも続いていくのです。

 

( text:Kaeko Ueno photo:Shinsuke Sugino )