ARTS & CRAFTS

ものづくりの街・高岡が面白い! 【シマタニ昇龍工房】

2017.1.20
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来年4月には映画「デンサン」のテーマとして取り上げられるなど、大きな関心が寄せられている日本の伝統産業。脈々と受け継がれてきた仏具「おりん」の伝統技術の、これまでとこれからについてご紹介します。

「おりん」に受け継がれる、伝統の技術

シマタニ昇龍工房は仏具のおりんをつくる工房として創業し、現在の島谷好徳(よしのり)さんで4代目。仏具のおりんの需要はそのほとんどが寺院用。50年、100年の周期で寺の修繕事業があり、先代のつくったおりんを修復するといいます。

過去と未来の職人との勝負

そのため、「修理をしていると、それをつくった先代の手法や技術が分かります。とてもおもしろいし、勉強にもなる。それに、こうやって長く残っていくことを考えると、自分も負けてられない、と思いますね。先代と、未来の職人との技術の勝負です」と島谷さん。

世界に飛び出したニッポンの「おりん」

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近年、島谷さんは海外にも積極的に進出。「おりん」も海外の人の前に出ることが増えてきました。海外では「おりんは仏具」という認識はなく、仏教徒ではない人が購入していきました。

「海外では日本人以上に感銘を受けてもらえましたね。柔らかく温かみのある音を、精神を落ち着かせる楽器としてとらえてほしいですね」と島谷さん。

 

 

「おりん」からはじまった新しいものづくり

ですが、「同じものをつくっていては衰退する。自分たちが欲しいものを自分たちでつくろう」と考えた島谷さん。同世代の職人たちと1年に1品、新しい商品を考案することにしました。

そこで生まれたのが、おりんの技術を使って異素材を叩いてつくられた、シマタニ昇龍工房の代名詞となる「すずがみ」です。

 

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錫は自由に曲げることができる金属。うつわなどに使え、紙のように薄く耐久性もあり、日本はもとよりパリでも人気となりました。

 

おりんとすずがみの両方を叩くことで、お互いの商品が洗練されていく―――。

空気を震わす音のうねりの中で、未来と世界を見据えていました。

 

text:Kaeko Ueno photo:Shinsuke Sugino