TRADITIONS

NHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』ゆかりの地・龍潭寺に行こう!

2017.1.20
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2016年の『真田丸』に引き続き、NHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』が、話題沸騰中! 静岡県内にあるゆかりの史跡に多くの人が訪れています。城郭研究家の西ヶ谷恭弘先生の案内で、特に注目したい井伊氏の菩提寺「龍潭寺(りょうたんじ)」を探訪してみましょう。

■日本城郭史学会代表 西ヶ谷恭弘(にしがや・やすひろ)

1947年、神奈川県横浜市生まれ。立正大学文学部講師、江戸城下石垣調査団長。板橋区赤塚城調査団長や東京都荒川区史編纂委員などを務めた。

龍潭寺は井伊家の菩提寺です

静岡県浜松市の市街地から北側にある井伊谷(いいのや)は、井伊氏が統治を行った地です。そこにある、遠州地方屈指の名刹のひとつとされる臨済宗寺院の「龍潭寺」。その歴史は奈良時代までさかのぼり、733(天平5)年に行基菩薩によって開創されたとされ、室町時代には井伊氏の菩提寺となりました。龍潭寺という寺号も、今川氏に仕え、「桶狭間の戦い」で戦死した井伊氏22代・直盛の戒名に由来するといいます。西ヶ谷先生によれば、当時の武家は菩提寺を京と鎌倉五山文化の禅宗に倣ったとすることが多かったそうです。

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境内には江戸時代に建立された本堂などの伽藍(がらん)が整然と建ち並び、本堂西側には井伊氏の墓所も残されています。歴代井伊氏の墓所に隣接して、1560(永禄3)年に今川義元と織田信長が激突した「桶狭間の戦い」で命を落とした武士たちの墓所もあります。戦国時代の激動の戦乱を伝えている場所といえるのではないでしょうか。

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本堂の正面となる南側の廊下を通り、開山堂を経て、歴代井伊氏の霊魂が祀られている御霊屋へ。「御霊屋には直虎の霊魂も祀られていますから、見逃せませんよ。こぢんまりとした簡潔なつくりも禅宗寺院らしく、秀逸です」と西ヶ谷先生は語ります。

小堀遠州作という庭も必見

続いて、ぜひ観てほしいと先生が力説する「龍潭寺庭園」へ。本堂の北側に回ると、目の前に見事な庭園が広がっています。江戸時代初期に完成した池泉鑑賞式庭園で、寺伝によると、安土桃山〜江戸時代を代表する作庭家・小堀遠州の手によるものとされています。その完成度は東海地方随一の名園と呼ぶにふさわしく、四季折々、見事な眺めを楽しむことができます。「本堂の縁側に座って庭園を眺めることができます。中心部分にある遥拝石(ようはいせき。礼拝石とも)の手前に座って全景を眺めるのが、理想的な観賞方法です」と、西ヶ谷先生は解説します。

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龍潭寺には、庭や建物以外にも見どころがあります。ここでは、井伊氏関連の展示が行われています。たとえば、写真の凛々しい直虎像は、彫刻家の池谷雅之氏によって制作され、寄贈されたもの。衣をまとった姿の坐像です。ほかにも、井伊氏の党首が座っていたとされる場所や、開山堂のなかの駕籠(かご)、井伊氏に関する歴史資料などを楽しむことができます。

 

男だったか、女だったかは謎に包まれているという井伊直虎。そんな歴史的背景にロマンを感じながら龍潭寺を訪れてみてはいかがでしょうか。

 

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龍潭寺

住所:静岡県浜松市北区引佐町井伊谷1989

Tel:053-542-0480

拝観時間:9:00 ~ 16:30(17:00閉門)

拝観料:一般500円(高校生以上)、小中学生:200円

休館日:毎年8月15日、12月22 ~ 27日※臨時休館あり

 

(text: Takanori Yamauchi, photo: Akira Kuwayama)

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2016年の大河ドラマ『真田丸」で話題の上田城に引き続き、『おんな城主 直虎」にも注目です。実のところ直虎が男なのか女なのかは謎ですが、戦国の世では考え難い「おんな城主」という存在、弱小国「遠江」が女の知恵でいかに生き抜いたのかなど、女性躍進、地域躍進の時代において、要注目の存在です。また、悲劇の運命を生きた岩村城主おつやの方のほか数奇な運命をたどった城主、秋田蘭画を確立した秋田藩主・佐竹義敦をはじめ、芸術に寄与した城主の物語にも迫ります。保存版「名城100選」も見逃せません。

日本城郭史学会代表・西ヶ谷恭弘先生の監修に基づき、大河ドラマをきっかけに城や城主に興味をもった城入門者も理解しやすい一冊が誕生しました。

 

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