FOOD

手のひらサイズの羊羹が映す“5つ”の日本の季節【和菓子がある風景 vol.1】

2015.7.29
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清涼感あふれる玉羊羹「五季」 日本人の豊かな感性を表現

「うなぎパイ」で知られる春華堂は、1887年創業の老舗菓子店。職人による伝統の手わざを守るだけでなく、新しいことに挑戦し続ける姿を通して、和菓子の魅力を再発見する。

みずみずしい新緑、紅葉の赤、春の透明な陽差し、薄黄の雪景色、茶色の大地――5つの季節が手のひらに転がる。

羊羹は、もともと羊や鳥獣肉を使った熱い汁=羹(あつもの)で、唐の時代の中国から伝えられた。日本では肉食の習慣がなかったことから、小麦粉や小豆などを蒸し固めて肉に似せて汁に入れた。この蒸し固めたものが羊羹のはじまり。その後、寒天を使った練り羊羹が生まれ、日本各地の特産品を用いて口当たりがなめらかな日本独特の羊羹がつくられるようになった。

「五季(いつき)」は、酒、抹茶塩糀、りんご酢、醤油糀、白味噌の“発酵さしすせそ”を味の核とした玉羊羹。春夏秋冬、繰り返し日本に訪れる四季に、“土用”を加えた五季を彩りと味わいで表わした。

土用は、夏だけでなく、四つの季節の合間にある暦のこと。ある日突然に季節が変わるわけではないように、日々少しずつ変化し、四季だけでは表しきれない時節の魅力を担っている。土用には、旬だけでなく“はしり”や“なごり”などを大切にする、日本人ならではの柔らかな感性が息づいている。

まんまるの玉を楊枝でつくとプチンと弾け、羊羹がまろび出る。紅色に輝くりんご酢の玉羊羹をひと口頬張ると、爽やかな酸味と香りで甘みの角がとれ、優しい甘みとなってのどを滑りおちていく。さっぱりとした後味で、常温のままでも美味しいが、この季節は冷たいおやつにもぴったりだ。

「五季」
(発酵さしすせそ羊羹)
酒、抹茶塩糀、りんご酢、
醤油糀、白味噌の5種
価格:5個入:1188円/15個入:3024円

SHOP DATA
五穀屋(有限会社春華堂)
住所:静岡県浜松市浜北区
染地台6-7-11(nicoe内)
tel:053-587-7778
オンラインショップ:http://gokokuya.jp/