FOOD

実りの季節に食べたいお菓子――最中が包み込む田んぼの風景【和菓子がある風景 vol.4】

2015.11.5
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黄金色の稲穂が重たげに頭を垂れ、山野の果実が実りの時を迎える。田んぼでは子どもから祖父、祖母まで家族が総出で、稲刈りや脱穀などの農作業を行う。そんな日本の風景をぎゅっと詰め込んだ、田んぼの「田」の字のかたちをした最中、五穀最中「よつ割り」から、和菓子にまつわる話をひとつ。

最中は田んぼの恵み、営みを形にしたお菓子

最中のはじまりは江戸時代といわれる。水に浸したもち米をひき潰したものを蒸して薄く伸ばし、型に合わせて焼く。元々は丸い生地を焼いただけだったが、生地を2枚合わせて中に餡を挟むようになり、さまざまなかたちの最中がつくられるようになった。

 

五穀と餡、実りを分け合って食べる

五穀最中「よつ割り」の生地には、もちきび、もち粟、ひえ、もち赤米、たかきびの五穀を砕いて練り込んだ。生地に自分の好きな餡を挟みこみ、手でパリッと割って食べる。食べるまでの一連の手順には、まるで田んぼで力を合わせて作業するかのように、あるいは、実りを与えてくれた神様の「おすそ分け」をいただくように、“分けて食べる”喜びが宿る。

包み込むのは、五穀屋ならではの発酵素材の餡。塩糀きな粉、ゆず米酢、醤油あん、ごま味噌の4種の味わいは、どれも甘さ控えめ。よつ割りにした一片を頬張れば、さっくりとした五穀の生地の香ばしさと、深みのある餡の甘さが口いっぱいに広がる。 田んぼの実りを分け合うお福分けの「得」。おすそ分けのように、古来から伝わる、大切なものを分け合うならわしに想いを馳せながら、「いただきます」。

 

SHOP DATA
五穀屋(有限会社春華堂)
住所:静岡県浜松市浜北区
染地台6-7-11(nicoe内)
tel:053-587-7778
オンラインショップ:http://gokokuya.jp/
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